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今日から毎日ブログ12月 11/17日 vol.11  保険調査員と言う仕事(リクエストにお応えして)&メリークリスマスイブ

今日から毎日ブログ12月 11/17日 vol.11  保険調査員と言う仕事(リクエストにお応えして)&メリークリスマスイブ
皆様こんばんは、今宵はクリスマスイブですね。
例年に比べこんなにクリスマス感がないクリスマスはありませんね。
でも、メリークリスマス🎄
コロナの渦中でも皆様が各々素敵なクリスマスイブを過ごせます様に、願ってやみません。

来年こそは皆様にとっても明るいクリスマスイブになります様に。

さて、今日は過去の私の仕事遍歴の中でも「それ一冊本を書けますやん」と言われた「保険調査員」という仕事についてがテーマ。
とある方のリクエストにお応えして。

実はこの仕事は、世の中に広く知られていません。

浦沢直樹の「マスターキートン」という漫画が近い職業かも。
プロフィールにも書いてますが、私がこの不動産屋を開業する前の2年程、この保険調査員の職にフルコミッションで就いていました。

当時私は認知症の父の潰れかけの不動産屋の債務と残務処理と、当時サラリーマンで勤めていた不動産屋の倒産前の残務処理、
またお恥ずかしながら、全く知らなかった父が被告となった仕事上の裁判の対応やらで四面楚歌の状態でした。

しかもなんで父が訴えられたのがわかった?って
父の不動産屋を整理していたら、ゴミ箱に訴状を捨ててたのを偶然発見したからです(笑)
あれをそのままほかしてたら、敗訴でもっとえらい目に遭ってた。
結局、弁護士さんや裁判官の皆様のお陰で、和解に持ち込みましたが。(この件はまた、いつかブログに書きますね)

しかし目の前にある仕事が全てマイナスの仕事って(笑)
ほんまに笑うしかなかった…

さて、話を保険調査員に戻しましょう。

この仕事は、日本の法律でいうと「探偵業法」という2007年に比較的新しく出来た法律の下で活動する仕事ですが、
いわゆる一般の「探偵」とは違います。

一言でいうと「保険金詐欺を暴く仕事」です。

内容はクライアントである、大手保険会社からの依頼に基づいて、民間の調査会社の一員として、
「保険金詐欺の疑いがある事案を調べ、客観的事実から対象者が黒か白かの結果を出し保険会社に報告する」てな感じ。
欧米ではとても地位が高いですが、日本ではそうでもなく(笑)
結構ええ加減な調査員も沢山おって、僕が所属していた調査会社では結構「他社の調査のセカンドオピニオン」も請け負う位、
調査スキルの高い人がいる調査会社でした。

僕は当時、父の会社の債務整理が終わればこの会社に正社員として雇用してもらう約束で、業務委託社員で雇用してもらいました。
全く未経験なのに、出来んのか?と思いましたが、当時出来たばかりの西宮ガーデンズに不動産の仕事で行った際に、
合格の通知を貰ったことを覚えています。個人情報も絡むので、当時の仕事内容については詳しくは書けませんが、

主に、
  1. 自動車盗難
  2. 自動車の絡む交通事故
  3. 交通事故か自殺の判定
  4. 自宅の空き巣や盗難事故
  5. 交通事故の休業補償の実態
  6. 飲食店等でのお客の絡む、お酒が掛かった、虫が入っていた等のトラブルの、お店側のテナント総合保険の適用判断の有無(客側の主張を暴くほう)
  7. 台風などの災害で雨漏りした、家屋が破損した、家財が損傷したなどの事故
などなど、多種多様でした。

まあ、沢山の「調査対象者」に朝から晩まで毎日5〜6人会って面談してましたね。
まずは保険会社から依頼のあった請求対象者と面談して、対象者の事故の話をヒアリングしながらその場で書類にまとめて「この事故の話は嘘ちゃいます」とハンコ貰う。
無論、ノートPCとモバイルプリンター持参です。

そしてここからがホンマの仕事。
実際に事故現場に出向き、現場写真を撮ったり、測量して図面を引いたり、近隣に聞き込みをしたり、警察署で事故の届け出番号を調べて、
事故の状況を出来る限り警察官から聞き出す(←かなりウザがられるし、個人情報絡むから教えよらへん(笑)) 
保険会社に提出する調査報告書は、保険会社の顧問弁護士さんのとこに行き、最悪調査対象者から保険金不払いの訴訟を起こされた際の裁判資料にもなります。

この仕事は本当に勉強になり、今の仕事にめっちゃ役立っています。

大体、普段詐欺やってる奴や、平気で嘘こいてる奴、嘘ちゃうけど自分に都合よくファンタジーを語る奴を数分で見抜けるようになりました。
数をこなすと、ファーストインプレッションで会って数秒でやっとるなと感じ、一応フラットに話聞くけど、調査した結果やっぱりな。とか(笑)

心構えとして基本は、気持ちをフラットに、対象者に偏見を持たずに会う事を心がけていました。
逆に中には不幸が重なり、「偽装事故・詐欺事案」として保険会社に疑われる人の冤罪を防ぐ役割でもあったので。 
保険会社が常に正しいとは限らないし、
保険会社の担当の保身に裏切られた事もありました。
ま、大手企業のサラリーマンやらOLさんなんて
そんなもん。
長いものに巻かれるのも生き方なので。
ただ受ける側としては一度調べて、事実上として証拠が出た正義は曲げられへんかったから、
保険会社の査定と喧嘩もしました。

でも結果的に・・・90%は悪人やった(笑)

この仕事を始めた当初は、「みんなが被害者」「早く保険金を出せる様に報告書を出してあげないと」と思っていたのですが・・・

現場調査を進めて行くと「事実は嘘を付かない」という事が、どんどんわかる(笑)
例えば…
  • レンタカーと一般車両の事故を偶然を装った友達同士の交通事故を暴いたり、
  • 借金返済の為に安く買った中古車に高い保険掛けて、友達と川に押して水没させて事故として保険金請求したり
  • 車が売れてない中古車屋が、経営者の車を預かった「顧客の車」と嘘こいて店先に置いておいて、その提携先の修理工場の代車を日雇いバイトに運転させてわざとぶつけて保険金請求してきたり
  • 無職の人間が、家族旅行中に高級外車を盗まれたと言ってたけど、反社の構成員で何度も同じことやってたとか
まあ、数を上げればキリがないです。

でもコツを得てくると、悪人の嘘に付き合う事に段々楽しさも加わり、こちらからも言い逃れ出来ない様に、会話の中にトラップを仕掛けて、
嵌める事もやりました。
仕事なので。

みんな、早く保険金が欲しいから、ワナに乗るんですよね。
スキがあるから。

そらそんなんばっかりやってると、こっちの性格が悪くなる(笑)

今だから言えますが、当時は夜中にヤカラの電話もなるし、脅されることもありました。
反社の家に2時間もヒアリングしに行ったときもある。
聞かされていても、当然反社である事を知らないふりをして(笑)

なので、その頃はこちらもドスの利く眼鏡を掛けて、相手の出方で丁寧だけど、ドスの利く言葉も使い分けていました。

お陰さまで、最後はクライアントの保険会社さんから「指名」を受けて調査に出向くほど、「正当に保険金を支払わない率」は上がりました。

この仕事はとても楽しく、大義名分で正義の為にやっていると思っていたけども…

いつしか段々と人を疑うクセが付き、
お仕事以外でお会いするプライベートの方々まで疑う様になったので、ある日を境にキッパリと辞めました。

収入は結構良かったので未練はありましたが・・・

そしてゼロからこの会社を立ち上げました。
そらめっちゃ苦しかった。
安定収入なくなるし。
でも、そこから10年。

ホンマにあの頃の経験は役立っています。

例えば、

人間関係で相手を追い詰めすぎない「遊び」を持つこと。

これ多分嘘やろなあ、と思ってもあえて追及しないこと。

その時の言動から、こちらに求める相手の本心を見抜くこと。

そして、何より信じた相手を許すこと。

まあでも、

一番許せたのは、死ぬまで散々迷惑を掛けられた、嘘ばっかこく、ウチの親父ですかね(笑)

でもお酒を飲むと、特に心を許した人には、
ついつい本音が出てしまうのが僕の悪いところ。
相手が嫌がるのを分かってもね。
お節介やろなあと思いながら。

でも人生、みな勉強。
やってみなはれの精神で、今も生きています。

人に嘘を付かれることよりも「人に嘘を付かない」ことの方が楽や(笑)

長文にお付き合い頂き、いつもありがとうございます。